妻から、家庭裁判所に婚姻費用(妻と子ども2人の生活費)の分担と離婚を求める調停を申し立てられて来所されました。妻側が離婚を求める事情を詳細な書面にして家庭裁判所に提出していたため、これを読んだ依頼者は憤慨していました。離婚自体については、お子さんが小さいことから迷っておられました。
妻から申し立てられた婚姻費用分担請求及び離婚の調停に対して(40代/男性)
相談前
相談後
すぐに上記2つの調停事件について依頼者の代理人に就任し、依頼者と共に計4回、調停に出席しました。婚姻費用分担については2回目の調停期日で合意に達し、4回目の期日で調停離婚が成立しました。妻の調停申立から調停離婚成立までおよそ半年のスピード解決でした。
夫の不貞相手も、夫婦の離婚調停に利害関係人として参加
相談前
依頼者は、妻に対して協議離婚を申し入れていたが、妻が話し合いに応じないため、離婚を希望して来所されました。 依頼者は、妻との性格の不一致、子どもの教育についての方針の違い、嫁姑の関係不良などを挙げ、これ以上妻と結婚生活を継続するのは耐えられないとのことでした。
相談後
離婚調停を申し立てたところ、相手方から依頼者の不貞行為の主張がなされ、その証拠も調停に提出されました。その結果、最終的には依頼者の不貞行為の相手女性も利害関係人として調停に参加することとなりました。何よりも早く妻と離婚したいという依頼者のご希望を優先し、不貞相手が依頼者と共に不貞行為を認めて謝罪する旨の調停条項、依頼者と連帯して慰謝料を支払う旨の調停条項を入れて、調停離婚を成立させました。
弁護士からのコメント
弁護士は依頼者の行いを責めたり、是非を問いただしたりするものではありません。依頼者の置かれている立場に立って、どうすればよりよい解決を得られるかを、一緒に考えるのです。ですから、たとえ言いにくいことであっても、自分の弁護士には本当のことを話して下さいね。
夫の定年を機に離婚を決意した妻(50代/女性)
相談前
依頼者は、夫の定年を機に離婚を決意しました。 離婚に向けてどのような準備をすればよいかも含めて、相談のために来所されました。
相談後
最初の相談では、別居時期や別居する際に確保しておくべき証拠資料等を説明しました。その後、離婚、財産分与及び年金分割を求めて離婚調停を申し立てましたが、合意が成立せず、離婚裁判を起こしました。 この事案の場合、依頼者の特有財産(独身時代に作った財産・親から相続した財産等)を、財産分与とは別に確保することがポイントとなりました。離婚裁判において、円満に和解が成立しました。
弁護士からのコメント
できる限り早期に解決したい、後に夫との間で無用な紛争が生じないようにしたいとの依頼者の希望により、判決をもらうのではなく、和解で解決しました。依頼者は自分の特有財産をある程度確保した上で、相応の財産分与を獲得しました
妻の親族名義の土地上に、夫名義の自宅建物が建てられていた夫婦の離婚(50代/女性)
相談前
依頼者は離婚は希望していましたが、依頼者の母名義の土地上に建つ、住宅ローン支払中の夫名義の自宅建物をどうしたらよいのかを心配していて、離婚するかどうか悩んでおられました。
相談後
離婚調停では合意が成立せず、離婚裁判を提起することになりました。最終的には、依頼者が住宅ローンの借り換えを行い、夫名義の住宅ローン残を完済した上で、自宅建物を依頼者名義に変更する内容の和解が成立しました。
弁護士からのコメント
依頼者の母名義の土地上に離婚後も夫名義の建物が存在しては、せっかく離婚が成立しても依頼者は元夫との関係を絶つことができず、将来的に紛争の種を残すことになり、依頼者にとっては望ましくありません。そこで、依頼者と金融機関に同行するなどして、依頼者が住宅ローンの借り換えができるよう努力しました。その結果、依頼者は住宅ローンを負担することにはなりましたが、いつでも自由に土地・建物を処分することが可能になり、安心して生活しながら住宅ローンの返済ができるようになりました。
不貞をした妻に対する離婚請求(20代/男性)
相談前
不貞行為をした妻と離婚したい、7歳と5歳の子どもの親権がほしい、自宅(住宅ローン残あり)を早く処分して住宅ローンから逃れたいなどの相談のため来所されました。
相談後
離婚調停を申し立て、調停では妻に不貞行為を認めさせ、謝罪文言を調停条項に入れること、依頼者は慰謝料を請求しない代わりに、妻に対して財産分与は一切しないことで合意しました。依頼者は調停成立後、早期に自宅を処分して、住宅ローンを完済しました。なお、子どもの親権者は母親となりましたが、依頼者の面会交流の機会は確保しました。
弁護士からのコメント
子どもの親権については、家庭裁判所の調査官の調査(父親・母親の住居地訪問調査、保育園・小学校への訪問調査等)がなされた上で、親権者としては母親が相当との家庭裁判所の意見が口頭で示されたため、依頼者も納得されました。ただ、今後も注意深く子どもの様子を見守るため、面会交流(父親と子どもが定期的に会うこと)について調停において取り決めを行いました。妻に財産分与を一切しなかったことから、婚姻中に形成した子ども名義の預金が依頼者の手元に残りました。
弁護士からのコメント
婚姻費用の分担額は、夫と妻の収入、子どもの年齢、子どもの数で基本的には決まるものである上、生活費であるということから、家庭裁判所は離婚より優先して当事者間の合意を成立させようとします。本件でも、離婚の話し合いに入る前に、依頼者・相手方(妻)の収入資料の提出を求められ、婚姻費用分担額について積極的に合意形成が図られました。他方、離婚調停では、依頼者から詳細な聞き取りを行い、文書を作成し、裁判所と相手方に提出しました。自分の言い分をしっかり相手方と裁判所に示したという思いからか、その後は依頼者には冷静な判断をしていただけるようになりました。本件を裁判にまで持ち込み、互いに相手方を非難するという後ろ向きな行為を避け、早期に円満に調停離婚を成立させたらどうかという私のアドバイスを受け入れてくださり、親権者(妻)、養育費、面会交流、財産分与について合意が成立し、早期に調停離婚が成立しました。